チーフAIオフィサー(CAIO)の台頭
生成AIの普及を背景に、「チーフAIオフィサー(最高AI責任者、CAIO)」という役職が世界的に広がりをみせている。企業だけでなく政府機関にも広がり、AIリーダーシップは経営の重要テーマとなりつつある。その需要と期待の高まりついて、ブランズウイック・グループロンドンのパートナー、キャロライン・ダニエルが業界をけん引する関係者と対話した。
CAIOの急拡大は「肩書きインフレ」という課題すら生じている。同時に、CAIOはAIに詳しい人材を位置づける動きも見られるが、それだけでも十分ではない。
本来CAIOに求められるのは、技術の専門性だけでなく、AIがどのような価値を生み、どのようなリスクを伴うのかを経営の文脈で判断できる力だ。AIは指数関数的に進化するため、誤った導入や説明不足は、企業に深刻な評判リスクをもたらしかねない。
重要なのは、CAIOという役職者を置くことではなく、AIに関わる経営判断の「最終責任者」を明確にすることだ。AI時代の競争力を左右するのは、技術そのものではなく、それをどう統治し、信頼へとつなげていけるかにある。